大寒と朝恵比寿
年が明けて、早くも二十日が過ぎようとしています。
毎年のことですが最初の3ヶ月はあっという間に感じます。
さて今日は一段と寒い朝になりました。二十四節気でいう「大寒」の日。
一年のうちで最も寒い頃とされています。
暦注には、
「地上の陰気、地中の陽気に追われて寒気甚だし、故に大寒と云う」
と記されています。
日照時間が最も短い冬至を過ぎ、陰気が極まると、
今度は陽気が少しずつ増し、前へ前へと進みはじめます。
それに伴い、すでに地中の陽気は力を蓄え、春へと向かっている。
その力に押し上げられるように、感じる寒さは、かえって最も厳しくなる。
そのように説かれています。
今日は「寒の水」を汲みに、
隣町にある御滝神社下の水神さまの湧き水へ行ってきました。
こちらの水は「福島の水三十選」にも選ばれており、
水量が豊富で、水温も年間を通して安定しています。
本当に暦通りの寒さで、風も強く、
明日からは寒波の影響で大雪の予報も出ています。
この湧き水は、蔵王の雪解け水が地下水となり、
長い年月をかけて湧き出ているものだそうです。
さっそくペットボトルを手に入れてみると、
外気の冷たさとは対照的に、ほんのりと温かくて
とても不思議な感覚がありました。
そう言えば真冬の滝行でも同じような経験がありますね。
地中の熱の影響と外気温の寒さはもちろんですが、
先ほどの暦注にある
「地中の陽気が満ちている」という言葉と
どこか通じるものを感じます。
さて、なぜ大寒に水を汲むのかと言いますと、
この日に汲んだ水は特に冷たく、霊水となり、腐らない。
そのため、台所や火を使う場所に置いておくと、
無病息災、火事除け、盗難除け、災難除けになると
古くから伝えられています。
ペットボトルや容器は何でも構いませんが、
水引をかけて、そのような場所に一年間お祀りしておきます。
また今日は「朝恵比寿(廿日恵比寿)」でもあり、
しばらくの間、出稼ぎに旅立つ恵比寿さまを
送り出す日ともされています。
昔は大きな器に二匹の鮒を泳がせたままお供えし、
お参りの後、近くの川へ放していたそうです。
私は実際に見たり行ったりした記憶はありませんが、
母の話では、私が小学校低学年の頃までは、
恵比寿講として地域では当たり前の風習だったとのこと。
この時期になると鮮魚店で鮒が売られていたそうですが、
今ではそうした光景も、すっかり見られなくなりました。
さて、明日からは星祭りの準備に入ります。
お申し込みいただいている皆さまの御札書きを始め、
当年星供は二十八日開闢、
二月三日の節分をもって結願となります。
精進潔斎のもと、七日間の行法を修してまいります。
合掌


