小寒(旧十二月節入)

「地下の陽気、地上の陰気を追うて昇る。

故に老陰これを追って寒気いよいよ厳し。」

冬至を過ぎると一陽来復といって、少しずつ陽の気が戻り始めますが、

それに逆らうように陰の気、すなわち寒さがいっそう厳しくなる。

『暦便覧』には、そのように説明されています。

本日五日から節分までのおよそ一か月が、いわゆる寒の内と言いますが

その入り口が、今日の小寒です。

一年で最も寒い時期ではありますが、

冬至も過ぎ、日は確実に長くなってきています。

この時期の風習としては、人日の節句に七草粥を食べて

春の七草の力を身体に取り入れる習わしがあります。

また、各地の寺院では寒行修行として、托鉢をしながら

各家を巡りお札を配って歩く姿も見られましたが

私の地域では幼少時以来、すっかり見かけなくなりました。

今後、私のところでやっていこうか現在思案中です。

さて、ここ梁川では七草粥を作る際、材料を刻みながら

「七草たたく、何たたく、唐土の鳥が来ぬうちに」

と唱える風習があったそうです。

年配の方でなければ、なかなかご存じない習わしですが、

私自身も、はっきりとした意味までは分かりません。

ただ、これは一種の「まじない」のようなものではないかと考えています。

この場合の「唐土の鳥」とは、実在の鳥そのものではなく、

疫病や厄、災いを運んでくる存在を象徴的に表した言葉で、

春先に大陸から渡ってくるものとして意識されていた、

外から来る悪しき気の擬人化・擬鳥化とした表現なのかと。

寒さの厳しいこの時期は、陰陽の気もせめぎ合い、

体調を崩しやすい頃でもありますし

春の七草という自然の恵みを身体に取り入れることで、

そうした災いや病から身を守り、祓おうとする意味が

込められているのではないでしょうか。

少し調べてみますと、この七草の唱え言葉は非常に古くからあり、

各地にさまざまな形で残っているようです。

文言も少しずつ異なり、意味合いも一様ではなく、

なかなか奥深いものだと感じました。

「七草なずな唐土の鳥が 日本の土地へ渡らぬ先に」

ご興味のある方は、ぜひ一度調べてみてください。

日本の暮らしの中に息づく、祈りと知恵の一端に触れられると思います。

合掌

相馬中村神社(相馬三大妙見)野馬追で有名なお宮さん