立春(旧正月節入り)
陽気地中に萌し、東風氷を解く
節分が過ぎ、冬の土用も明け、いよいよ新しい一年
春夏秋冬の巡りがここから始まります。
とはいえ、体感としてはまだまだ真冬の寒さですが、
この時期、土の中ではすでに陽気が蓄えられ、
雪の下では山菜が芽吹く準備を始めています。
雪解けの頃に顔を出すふきのとうなどは、その代表ですね。
私と母はふきのとうの天ぷらが大好きで、
あのほろ苦さは、この季節だけの何とも言えないご褒美だと思っています。
もう少ししたらふきのとうを探しに母と山中ドライブです。
さて、「東風」と書いて、七十二候では「はるかぜ」と読みますが、
東の風と書いて「こち」とも読み、
春先に吹く東寄りのやわらかな風のことを指します。
もっとも、春本番の穏やかな風とは違い、
立春頃の東風は、まだ冷たさを含んだ早春の風です。
実際、ここ伊達市でも昨日から強い風が吹き続き、
外にある不動尊前の蹲踞の水はすっかり凍りついています。
さて、今年の旧正月は2月17日。
節分や立春を過ぎてからの旧正月となりますが、
このように年によって時期がずれることは珍しくありません。
旧正月はおおよそ一月下旬から二月中旬の間を行き来し、
節分や立春と重なる年もあれば、少し離れる年もあります。
特に今時期、節分と旧正月の関係について質問を受けることがあります。
星祭りなどで星の巡りを算出する際には、
生年月日を万年暦で旧暦に引き直して確認します。
私たちのように星祭り(九曜)や九星、宿曜を見る者にとっては
日常の作業ですが、一般の方からすると「初めて知りました」
「驚きました」と言われることが多いです。
実際、元日から節分頃までにお生まれの方は、
干支や生まれ年が前年扱いになる場合がほとんどです。
特に節分前後に生まれた方は、
正確に見るには必ず万年暦を引く必要があります。
ちなみに旧正月は太陰太陽暦に基づき、新月を基準とします。
原則として「冬至の後の二回目の新月」が旧正月となるため、
年によって一月下旬から二月中旬まで大きく動くのです。
昔の暦の時代に、現代の元旦や元日と同じ意味を持っていたのは、
旧暦一月一日(正月朔日)でしたが
一方、立春や節分は「年の気」が切り替わる節目として
意識されていました。暦の年の始まりは「正月朔日(旧正月)」
ですが、気の始まりは「立春」がスタートで最初。
この二つは、もともと別のものとして併存していたのですが
時期が近かったために色んな意味で混同されるようになりました。
昔の人々は「年はもう切替わっているが、気はまだ替わらない」
「節分で祓い、立春で気が立つ」そんな感覚を
ごく自然に暮らしの中で受け止めていたのではないでしょうか。
季節の移ろいを、暦と自然の両方から感じ取っていた、
そんな先人の感覚に、今あらためて学ぶところが多いように思います。
合掌
写真は本年の万年暦

