雪の便り 〜吾妻山 初冠雪〜
本日から十一月、今年も残すは2ヶ月ばかりとなりました。
さて吾妻山(一切経山)も、去る28日に初冠雪とのこと。
山々の紅葉もいよいよ見頃を迎え、
今月中旬には吾妻スカイラインも冬季閉鎖となります。
平均すると、ほぼ例年通りといったところでしょうか。
昔からここ県北エリア(信達)では、吾妻山に雪が積もった後、
同市内の半田山が三度ほど雪景色になると、
「そろそろ平地にも雪が降る」と言われてきました。
不思議なことに、こうした昔ながらの言い伝えは意外とよく当たるもので、
大きく外れることはほとんどありません。
一切経山は標高1,949メートル。ほぼ月山と同じくらい。
ちなみに吾妻連峰の最高峰は、西吾妻山で2,035メートルです。
江戸時代の郷土史家によって記された
『信達一統志(しんだついっとうし)』には、
東屋嶽の項に次のような記述があります。
「信達第一の山なり。
東屋嶽神社、東屋国神社、東屋沼神社、三柱の神鎮坐すなり。」
この記述からも、現在の福島市と伊達市(旧伊達郡)における
山岳信仰の中心が、伊達市の霊山とともに、
この吾妻山周辺であったことがうかがえます。
今ではスカイラインを通って浄土平まで車で簡単に行けるため、
紅葉やドライブの名所として親しまれていますが、
もとは霊峰としての信仰を集めた聖地であり修験の行場でもありました。
なお、一切経山の西に位置する中吾妻山には奥之院と呼ばれる場所があり、
吾妻権現の御神体(巨石)が祀られていると聞いておりますが、
そこから湧き出す硫黄泉そのものが、実は御神体であるともいわれます。
以前、浄土平ビジターセンターの職員さんに伺ったところ、
昔は数年に一度ほど、行者さんが御神体のもとへ登拝していたそうですが、
近年はその姿も見かけず、奥之院までの道のりも
現在は非常に厳しいとのことでした。
私もいつかお参りしてみたいと思っておりますが、
やはり導いてくださる先達がいなければ、
容易に辿り着ける道ではなさそうです。
いつか良きご縁が巡り、神さまから「おいで」と
呼んでいただける時が来るよう。先ずは今のことをしっかりと。
明日は同期生のお寺の法要に出仕するため、北海道に初上陸いたします。
合掌
近所から眺めた一切経山。
福島盆地の北東側から見ています。

