立冬 〜秋の土用明け〜

「冬の気立ち初むるなり」

本日は二十四節気のうち第十九、立冬(りっとう)です。

秋分と冬至のちょうど中間にあたり、この日から暦の上では冬の始まり。

昨日で秋の土用も明け、季節は静かに次の段階へと移っていきます。

もっとも、立冬を迎えたからといって急に寒くなるわけではありません。

あくまで「冬の気が立ち始める頃」であり、

ここから少しずつ冬へと向かっていく節目となります。

旧暦では、まだ九月の下旬手前ですからね。

実際には紅葉が見頃を迎える秋真っ盛りの時期でもあります。

北国ではそろそろ終わり、ここ福島では中旬ごろまで楽しめそうです。

自坊の前の街路樹も、このところの冷え込みと風で半分落葉しています。

さて、全国的にこの秋は熊の出没が多く報じられています。

ここ伊達市梁川町でも、わずか2週間のあいだに2件の騒動がありました。

ひとつはお寺から500メートルほど山手に入った建設業者の資材置き場、

もうひとつは同町内の山舟生地区。

こちらでは大きな熊が駆除されたとのことで

知人から現場の写真も届きました。

母の実家があるエリアでたまにドライブに2人で出かけますが、

車から降りる時はちょっと警戒しないと危ないですね。

本来なら、どの命も穏やかに共存できればよいのですが。

私たち人間の暮らしが自然とどのように向き合うべきか、

改めて考えさせられる出来事でもあります。

長い年月をかけて人が壊してきた自然からの

しっぺがいしとも言えるかもしれません。

昔から地方では山神様が怒ると動物が人里に下りるとも言われています。

近頃、日暮れもずいぶん早くなりました。

周りではインフルエンザなど流行っております。

皆様もどうぞ体調を崩されませんようお過ごしください。

合掌