夏の土用入り
本日より、夏の土用の期間に入りました。
「土用」と聞くと、世間では「うなぎを食べる日」
として知られていますが、もともとは陰陽五行思想(木・火・土・金・水)
に基づいた、季節の節目をあらわす大切な時期です。
特に夏の土用は、立秋の前日までの18日間。
季節が夏から秋へと移ろう中で、気の流れや環境が不安定になりやすく、
古くから「慎み深く過ごすべき時」とされてきました。
民間信仰や土着の風習では、「土用」は土の神さま(土公神)が
地上を巡る期間とされ、この間に土を掘ったり
動かすような行為は慎むべきとされてきました。
また、体調を崩しやすい時期でもあり、心身の乱れやすさに気をつけ、
静かに身を整えることが大切とされてきたのです。
そのような背景から、土用の時期には
「身を慎む」「穢れを祓う」「気を整える」ことがすすめられています。
そして「うなぎを食べる」という風習も、
「気が乱れやすい時期に、精のつくものをいただいて元気を養う」
という、陰陽五行的な知恵から生まれたものなのです。
これからは梅雨が明け、いよいよ本格的な暑さがやってまいります。
どうぞ皆さまも、心身の調子に気を配り、日々を丁寧にお過ごしください。
土用という節目にあたって、身の回りを清め、
気持ち新たに夏を乗り切ってまいりましょう。
合掌
